政治団体「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首(58)は7日、国会内で開かれた定例会見で、田久保真紀前市長(55)の失職に伴って行われる静岡県伊東市長選(12月7日告示、14日投開票)に出馬することを正式に表明しました。

立花氏は「伊東市の市長選に出ることになりました。当選を目的として、着実に準備を進めております」と述べ、当選を目指して活動を進めていることを明らかにしました。

気になるテーマを漫画で徹底解説!

立花孝志氏が静岡県伊東市長選出馬!2馬力選挙とは?田久保真紀はどうなる?

立花孝志党首は、田久保眞紀前市長と先週会談したことを明らかにしました。

立花氏は「私自身、メディア側の報道に偏りがあるのではないかという疑念を持っており、田久保さん側からも『現在、いじめのような状況に置かれている』というお話がありました」と、会談の内容を説明しました。

 

また立花氏は、

「一方で、卒業証書を提示されない限り、問題の解決は難しいでしょう。現状を見る限り、卒業証書を公開される可能性は99.9%ないと考えています。そうであれば、私自身が当選を目指して立候補すべきだと判断しました」

と述べ、田久保氏との“二馬力選挙”の可能性を否定しました。

 

2馬力選挙とは?

「二馬力選挙」とは、表向きは複数候補が立候補しているように見せかけながら、実際には特定の候補を当選させるために他の候補が意図的に出馬する戦略を指します。

つまり、一方が“捨て駒”として票を分散させたり、争点をぼかしたりして、結果的に本命候補を有利にする手法です。

これは政治戦術として古くから存在し、選挙戦を複雑化させる要因の一つでもあります。

 

この手法が問題視されるのは、有権者の判断を混乱させ、民主的な選択をゆがめる可能性がある点です。

形式上は公職選挙法に抵触しない場合も多いものの、政治的倫理や透明性の観点からは疑問が残ります。

特に、メディア露出や争点形成を操作する目的で行われる場合、選挙本来の「公正な民意の反映」という原則を損なうおそれがあります。

 

一方で、意図的な共闘ではなく、政策や理念の一部が重なる候補が偶然競合するケースもあり、一概に「二馬力」と断定するのは難しい面もあります。

したがって、このような選挙戦略を見抜くには、候補者同士の関係性や発言の一貫性、選挙運動の実態を慎重に観察する必要があります。

気になるテーマを漫画で徹底解説!

2馬力選挙の違法性は?

「二馬力選挙」は、表向きは複数の候補者が立候補しているように見えても、実際には特定の候補を当選させるために他の候補が意図的に出馬する選挙戦略です。

この手法は、直接的に公職選挙法で明確に禁止されているわけではありません。

しかし、場合によっては選挙の公正性を著しく損ね、違法性が問われる可能性があります。

 

たとえば、候補者間で事前に「票の誘導」や「落選を前提とした協力」を取り決めていた場合、公職選挙法が禁じる「選挙の自由妨害」「供応・買収」「虚偽の立候補」などに該当するおそれがあります。

とくに、資金の授受や見返りが伴う場合には、選挙犯罪として刑事罰の対象となることもあります。

 

倫理的な観点から見ると、二馬力選挙は有権者の意思決定を操作する行為であり、民主主義の根幹を揺るがす重大な問題です。

選挙は本来、政策や理念を競い合い、民意を正当に反映する仕組みであるべきですが、この手法はその信頼を損ないます。

候補者が「本気で当選を目指しているのか」という基本的な誠実さを欠くため、有権者を欺く行為とみなされかねません。

 

したがって、法的にはグレーゾーンであっても、倫理的には明確な違反行為に近いといえ、選挙の健全性を守るためには社会的監視と透明性の確保が不可欠です。

 

「違法でなければなんでもいい」は通用しない

そのうえで、日本は法治国家である以上、選挙に関する行為はすべて法律に基づいて判断される必要があります。

二馬力選挙のように、意図的に特定候補を当選させるための出馬が行われても、明確な違法行為として処罰されるためには、具体的な証拠と法的構成が求められます。

つまり、「倫理的に問題がある」というだけでは刑事罰の対象にはならず、実際に金銭の授受や虚偽の立候補、選挙妨害など、公職選挙法の条文に抵触する行為が確認されなければ違法とはされません。

 

とはいえ、法的に罰せられないからといって、正当化できるわけではありません。

日本の選挙制度は「公正・自由・平等」を原則としており、有権者が信頼して投票できる環境を維持することが民主主義の根幹です。

二馬力選挙のような手法は、その信頼を損ない、選挙への参加意欲や政治への関心を低下させる要因にもなります。

 

したがって、法の網をかいくぐるようなグレーな選挙戦術に対しても、社会的・道義的な監視が必要であり、最終的には有権者の判断によって淘汰されるべき行為といえます。

漫画で直感理解!おすすめテーマ