2025年6月頃から、静岡県伊東市の田久保眞紀市長に対し、学歴詐称の疑いが持たれています。

現在、田久保眞紀氏は市長を失職し、元市長ではありますが、在職時にはニュースに毎日のように取り上げられており、伊東市の知名度を押し上げた経緯があります。

ただし、少なくとも報道を見る限りは田久保元市長への声は厳しいものが多く、また、合理的に考えて田久保元市長の言動が多くの市民に理解が得られるものとは考えられません。

 

伊東市の市民からは「恥ずかしい」などの声も聞こえていて、法的責任とともに「市民への誠実な対応をする責任」もあるはずです。

そのうえで、このページでは、田久保市長の行為がどのような法的問題に該当する可能性があり、どのような法的責任を負うことになるのかについて、具体的に解説します。

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田久保眞紀元伊東市長に逮捕の可能性はあるのか?法的に検証

当サイトの見解

田久保元市長ですが、随分法律を曲解し、自分に都合のいいように解釈し、非常に狡猾だと当サイトは判断しています。

報道などで伝えられている田久保元市長の一連の対応には、法令を形式的・自己防衛的に解釈しているように見える部分があるように感じます。

 

たとえば、

「卒業したと認識していた」として公職選挙法上の故意を否定する主張、

「押収拒絶権」を盾に卒業証書の提出を拒む姿勢、

「正当な理由がある」として百条委員会への出頭や証言を拒否する態度、

といった一連の行動は、法的には可能な主張であっても、市民の信頼を得る政治家としての説明責任の観点からは不誠実に映る面があります。

 

つまり、法律上「違法でない」としても、倫理的・政治的責任を回避するために法を狭義に解釈しているように見える点が、狡猾だと受け止められる所以でしょう。

ただし、刑事責任の有無については、あくまで「故意」や「目的」の立証が前提になりますので、最終的には捜査や司法判断に委ねられることになります。

市民感情と法の適用のあいだに乖離が生じやすい典型的な事案といえるでしょう。

 

では、ここからは田久保元市長に課される可能性のある法的責任について紹介します。

 

学歴詐称

公職選挙法では、「当選を得る目的をもって公職の候補者、または候補者となろうとする者が経歴に関して虚偽の事項を公にした場合、二年以下の拘禁刑または三十万円以下の罰金に処する」と定められています(虚偽事項の公表罪、公職選挙法第235条第1項)。

田久保市長は自身の経歴を「東洋大学法学部 卒業」と公表していましたが、実際には「東洋大学法学部 除籍」であったことが判明しています。

そのため、田久保市長が「東洋大学法学部 卒業」と公表していた行為は、公職選挙法に違反する可能性があります。

 

 

もっとも、田久保市長は「自分は卒業したと認識しており、2025年6月に大学へ確認するまで除籍であるとは知らなかった」と説明しています。

この供述が事実である場合、虚偽の事実を公表する意図(故意)がなかったことになり、公職選挙法違反には該当しない可能性があります。

 

また、田久保市長は「選挙公報や選挙運動用ビラには『東洋大学 卒業』と記載していない」とも述べています。

これは、「当選を得る目的をもって」虚偽の事項を公にしたわけではないという主張であり、その点でも公職選挙法違反に当たらないと考えているようです。

 

なお、2025年7月28日には、学歴詐称に関する刑事告発が警察に受理されています。

今後は、田久保市長に「虚偽の公表をした故意」や「当選を得る目的」があったかどうかを中心に、捜査が進められる見込みです。

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卒業証書の偽造

刑法では、「行使の目的で他人の印章などを使用して、権利・義務または事実証明に関する文書を偽造した者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する」と定められています(有印私文書偽造罪、刑法第159条第1項第1号)。

私文書偽造罪における「偽造」とは、文書の名義人と作成者の人格の同一性を偽ることを意味すると解されています。

例えば、大学の卒業証書の場合、通常は名義人も作成者も大学であるため、大学以外の第三者が権限なく卒業証書を作成した場合、名義人と作成者が異なり、人格の同一性を偽ったことになります。

 

田久保市長は、卒業証書とされる書類を示していたと報道されており、ご本人もその書類の存在を認めています。

仮に、田久保市長が保有する卒業証書とされる書類が大学以外の権限のない第三者によって作成され、かつ東洋大学が発行した正式な卒業証書の体裁を備えている場合には、その書類は「偽造」と評価される可能性があります。

 

また、私文書偽造罪が成立するためには、その文書を「行使する目的で」偽造していることが必要です。

田久保市長は、伊東市議会の議長および副議長に対し、卒業証書を示したことを認めています。

もしこの卒業証書が偽造されたものであった場合、東洋大学を卒業したと誤信させる意図で文書を用いたと判断され、「行使の目的」が認められる可能性が高いと考えられます。

 

さらに、刑法第161条第1項では「前二条の偽造文書を行使した者は、偽造または変造を行った者と同一の刑に処する」と定めています(偽造私文書行使罪)。

したがって、卒業証書とされる書類が偽造文書に該当する場合には、私文書偽造罪に加えて、偽造私文書行使罪も成立する可能性があります。

 

なお、田久保市長の代理人である福島正洋弁護士は、卒業証書とされる書類について「仮に捜査機関が強制捜査を行った場合でも、刑事訴訟法第105条に基づく押収拒絶権を行使し、提出を拒否する意向である」と述べています。

このため、田久保市長の方針が今後変更されない限り、卒業証書とされる書類が公開される可能性は極めて低いと考えられます。

 

百条委員会への出頭拒否・記録の不提出

地方自治法では、「普通地方公共団体の議会は、当該団体の事務に関する調査を行うことができる。この場合、特に必要があると認めるときは、選挙人その他の関係人に対し、出頭および証言、並びに記録の提出を請求することができる」と定められています(地方自治法第100条第1項)。

この規定に基づき、議会が設置する調査機関がいわゆる「百条委員会」です。

 

百条委員会の調査に関しては、罰則も設けられています。

具体的には、「正当な理由がないのに議会に出頭せず、または記録を提出しない場合、あるいは証言を拒んだ場合には、六か月以下の拘禁刑または十万円以下の罰金に処する」と規定されています(地方自治法第100条第3項)。

 

伊東市議会では、田久保市長の学歴詐称疑惑や公職選挙法違反、私文書偽造の可能性などを調査するため、百条委員会を設置しました。

これに基づき、田久保市長に対しては百条委員会への出頭と、卒業証書とされる書類の提出が求められています。

 

しかし、田久保市長は、出頭拒否および記録の不提出について「正当な理由がある」と主張し、これまで百条委員会への出頭や書類の提出に応じていません。

このため、今後はその「正当な理由」が法的に認められるかどうかが焦点となる可能性があります。

 

 証言拒絶

前述のとおり、百条委員会において証言を拒絶した場合にも、刑事罰が科される可能性があります。

仮に田久保市長が百条委員会の要請に応じて出頭した場合でも、自己に不利益な供述を強要されない権利、いわゆる黙秘権に基づき、自己に不利益となるおそれのある証言については拒絶する可能性が高いと考えられます。

 

もっとも、拒絶した証言の内容やその範囲によっては、伊東市議会が「正当な理由がない」と判断する場合も考えられます。

その場合、議会は証言拒絶についても刑事告発を行う可能性があり、今後の対応が注目されます。

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